6月19日 木曜日 晴れ
フィジカル・トレーナー(元高校球児)と月一回、海辺で早朝野球をしています。5時台に背中にグローブを背負ってでかけていきます。今年になって再開したんだけど、50年前の元野球部、最初はボロボロで、こんなんじゃいかんと体幹を鍛え直し、筋トレに励んだなら、ようやくブレなく投球できるようになってきました。砂地の場所なんで、体幹がしっかりしていないと投げられないのです。こういう指針というか、違う「point of view」があるのはありがたい。すべて音楽にフィードできるから。
彼に弾丸富士山登山を誘われたんだけど、今年はスケジュール、無理だなぁ。来年なら行けそう。聞くと、午前1時にこちらを出て、麓まで車で移動、入山規制がかかっている時期なので、5合目までバスで登り、1時間ほど身体を高地に慣らした後、登って降りてくる。日本人たるもの、一回は登ってみるのも悪くないかも。
ところで。レコーディングです。休みなく、ずっと向き合っています。さすがに休みが欲しいと思うけれど、集中できることを幸福だと思って取り組んでおります。こんなの、時給に換算とかしちゃいけません。間違いなく労働基準法に違反してると思われ。
自分を動かしているものは。見たことのない頂に行って、ピープルにその風景をお裾分けして、みんなをハッピーにすること。トレーナーが言ってました。富士山頂からインスタライヴをやって、彼のところにやってくる年配の人たちを楽しませてるそうです。
経験上、ほんとうに素晴らしいものが出来上がる速度って異様に速いんす。作曲も録音も。どうやって創ったのか覚えてないことが多い。ほんとうに導かれたように、あっという間に出来てしまう。
でも、稀に粘って粘って、粘りまくって、到達するものもあるんす。
昨日がそうでした。なんでうまくいかなかったかというと。
この曲を録音した時、スケジュールがハードすぎて、喉がもうボロボロで歌えなかったのです。ガイドで軽くさえ歌えない状態だったので、クリックなども一切使わない僕らの録音では、それでもメンバーは歌を想像しながら演奏してくれたわけなんだけど。
いざ、歌ってみると、歌の世界に対してオケが強すぎたんすね。それは仕方がない。
そこを調整すべくかかった日数、2日間。なんとかしようと、持ち替えた楽器の数、無数。粘って、粘って、にゃんとか、奇跡的に折衷点を見つけたわけです。
いいリズムに素晴らしい歌がのっかってさえいれば。数時間で終わることが2日かかります。しかも、気に入らないなら録り直す可能性もある。ははは。
なので、ほんとうに日々のコンディションをコントロールするのもプロの仕事です。
ジョン・レノンが名曲「ストロベリーフィールズ」をどうやって完成させたのか。そのプロセスを克明に記録した音源を持っていて。かのジョンですら、これだけの試行錯誤を繰り返したのか、と思うんすね。
ぐっと掴んで、ぱっと投げる。それがいい音楽の条件だけど、一方で粘って粘って、粘りまくって、素晴らしいものができることもある。
マウンドに復活した大谷選手。さすがにオレも見ました。あの彼ですら、実戦から離れていると大汗をかいて、自分をコントロールするのに苦労している。一方、打席に入ると、別人のように自信に満ちている表情になる。それだけで、たくさんのことを教えられます。実戦感覚としかいいようのないもの。どんな仕事にも存在します。
ああいう姿をビール飲みながら愉しむことはオレはできないっす。
高校野球を見てると、次の展開がどうなるのか、直前の投手と打者の表情を見ていると85%予測できます。結果が出る前に勝負は終わっていることが多い。彼ら高校生だから、まだ経験の少なさゆえ、とってもわかりやすいのです。そこから学ぶこともたくさんあります。
何度も何度もステージでトライ&エラーを繰り返して。ようやく辿り着く領域。
カズオ・イシグロの言葉を借りるなら、「遠い山なみの光」って感じかな。笑。
富士山は眺める山だと長年思ってきたのでいまだ登った事がありません。
しかし富士山を眺めるたびに「オレはあの頂きに登ったのだ!」と思えるのはすこし羨ましい。。
富士登山ぜひ。
私は6年前に登って、いまだ心に残るいい時間でした。
その時に撮った写真を山口さんのインスタライヴに使っていただいたのもいい思い出です。
福岡のこどもたちがこの夏、富士山チャレンジします。
前述の6年前、同行しました。
僭越ながら紹介させていただきます。
https://readyfor.jp/projects/152820