月別アーカイブ: 2月 2011

過酷な旅路

2月16日 水曜日 晴れ 4日間で3本のライヴをやり、1800キロ移動して、東京に戻った。今までもさんざん無茶な行程をこなしてきたとは思うが、今回ばかりは身の危険を感じた。ヤバかった。身体は正直で、もうこんなこと止めてくれ、ときちんと根を上げた。本当に首が廻らなくなった。こりゃ、病院送りだ。アーメン。 ともかく。深く考察せずにこのスケジュールでOKを出した僕が悪いのだ。車に乗らない人間に距離感覚はない。speechless tourは身体も使うけれど、精神も張りつめて、深く集中して音を出している。毎日、最後の一滴まで絞っているから、充分な休息が必要なのだ。とにかく。無事に帰ってこれて良かった。 それでも、多くの実りがある旅だった。次のバンドのアルバムに関して、僕らは大切な話を繰り返したし、共通した認識もアイデアもある。昨夜、香川のスタッフからジョン・レノンがどのようにして「ストロベリー・フィールズ」を作ったか、と云う音源をもらった。ギター1本のデモから始まり、完成するまでの彼の執念は驚くべきものだった。ジョンはフィーリングで生きている人だと思っていたが、そんなことはなかった。たゆまぬ努力を積み重ねていたのだ。ありがとう。元気出たぜ。

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四国の魔界、香川県高松市にて。

2月15日 火曜日 曇り   何故、僕らが香川県高松市の狭いにも程があるこの「ruff house」にやってきたか。オーナーの今城君の情熱に負けたからである。「君のところには機材が入らないから無理」と云ったにも関わらず、彼の頭の中は「だから、どーした。逃げんのかテメー」くらいの気迫に満ちていた。分かった。知床魂と九州魂、見せてやろうじゃねーか。到着してみると、彼は高松じゅうの叡智と機材をかき集め、近隣のお店にトイレが足りないからと頭を下げて廻り、搬入するために人を集め、やれることは全てやり尽くされていた。今どき、こういう輩を観ると心底、ほっとする。音楽のためなら地獄の果てまでも。よーし分かった。後は任せとけ。僕らとて、一回メディアに出れば済むものを、100回ライヴをやることを選んだ人間なのだ。やってやろうじゃねーか。  画像を載せるとビンボー臭くなる。来てくれた人には分かると思う。このあたりが難しいところだ。でも、ライヴは一期一会。イマジンしてください。そこで何が行われていたか。俺、あまりの天井の低さに首、グキっとやっちまいました。でも、ここに来て良かった。ありがとう。ニンゲンはまだ信じるに足りる生き物だってことが、よーく分かったから。僕がライヴ中に云った言葉は嘘じゃない。いつか本体のheatwaveでやってくるからね。待ってなよ。  終演後、スタッフの一人がbeatlesの「let it be」のスラングと日本語が分かる人間が翻訳し直したDVDを持ってきてくれたのね。それが、素晴らしく面白かった。こうやって、この音楽が生まれたんだ、と気づくときに、まだまだ僕らには足りないものがあると、教えてくれる。だから、旅は素晴らしい。骨は折れるけど。徹底的な現場主義。そして、マーケッティングとマネージメント。ちゃんと考えてみるよ。ありがとう。スタッフのたまちゃん、優しい気遣いをありがとう。僕らはまだ死ねない。やり残したことが山ほどあるから。明日は気をつけて800キロの道のりを帰る。明朝、ハコの前に魚先生のCD、置いておくから楽しんでね。たくさんの愛。

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苦行

2月14日 月曜日 雪  広島から香川県高松市まで。何だわずか200キロじゃん。そうタカをくくった僕は「しまなみ海道」を通ったことがない魚さんに瀬戸内の海を見せてあげよう、とわざわざ遠回りをした。ところがどっこい、降りしきる雪で何も見えず、四国の高速道路は通行止め。一般道は大渋滞。200キロを8時間と云う苦行の一日でした。トホホ。  でも、明日はラフハウスを魔界に変えてやるぜ。

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広島にて

2月13日 日曜日 雪   雪のヒロシマ。悪くない。寒いのに、来てくれて、ありがとう。speechless tourは佳境に入った。観てくれた人には伝わっていると思う。僕らが本気であることが。僕らは嘆かないし、諦めない。老後のことも考えない。心を込めて用意されたステージで反対側に突き抜けるだけ。  僕らは音楽に向かいあい、たくさんのともだちと美味しいものを喰らい、タカノバシにある魔界のスリムチャンスで踊り狂い、完全に燃え尽きた。ビバ・人生。そんな感じさ。 追伸  広島と云えば。数年前に宮本佳子と云う若いフォトグラファーが被爆者60人を撮影した。彼女は被写体に対して「遺影に使えるように笑顔でお願いします」と頼んだ。その笑顔が本当に素晴らしい。地獄を観た人たちの笑顔。ここには本物の希望がある。僕と魚はそれらの写真を床に並べ、あっと云う間に音楽を作った。それは彼女の「継承」と云う写真展で使われた。  僕は思ったのだ。これは伝えなければならない。だから、彼女から写真を借りて、出版社を含め、あちこちを走り回った。けれど、goを出す勇気のある者はひとりも、一社もなかった。ちょっと待ってくれ、と思う。これは貴重な財産なのだ。売れるとか売れないとか、そんな問題じゃないのだ。日本中の小学校に一冊づつ置けば、少なくとも2000冊にはなるだろう。税金はこんなことに使うべきだ。な、訳で僕はまだまったく諦めてません。気骨のある出版関係者のみなさん、連絡をお待ちしてます。 http://centro-hiroshima.com/life/life02/keishou-01.html

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岡山にて

2月12日 土曜日 曇り   岡山のblue bluesってハコはまだそんなに知られてはいないと思うけれど、来る度に自分たちの力で、出来る範囲で、良い音を出そうと、オーディエンスをコンフォータブルにしようと努力し続けている数少ないハコだ。だから、魚も僕もここが好きだ。大事なのは第一義的に云って、機材の前に「愛」だ。共に育っていこう。いつだって僕らはそう思う。  ところで、僕は機材を一新した。だから柄にもなく練習していた。ふむ。なるほど。これは面白い。まだまだ追求する余地がある。そのことによって、僕らは新しい発見と反応をする。今日もまた「愛」によって、僕らは音楽の世界に没入することができた。いつも応援してくれて、本当にありがとう。僕らが本気と書いて「マジ」なのが分かってくれたら、本当に嬉しい。  明日は広島じゃー。みんなに会えるのを愉しみにしとるんじゃー。(間違ってる?広島弁)

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移動日にlet it be

2月11日 金曜日 雪   珍しくヒドい二日酔いだった。昨夜、僕は暴走族に本気でキレたらしい。「つるまないと何もできねぇのかよ、ダサっ」と。あやうくエビゾウになるところだったらしいが、本気でそう思うぜ。お前ら格好悪いんだよ。抗うなら独りでやれ。群れずに本物の敵と独りで真剣に闘ってみろ。お前らが愛の欠如で荒れてるんなら、誰かを真剣に愛してみろ。寝ているおじいちゃんやおばあちゃんを爆音で起こすんじゃない。このバカタレどもが。  魚さんと昼に東京を出発。800キロの長い道のり。  写真を撮る気力もない。でも、魚さんと何故かビートルズの話題で盛り上がった。僕が彼らを知ったのは小学生の時分。確かFUTATAと云う洋服屋で、映画「let it be」を観た。あまりに感激して、親父に頼み込んでアナログ盤を買ってもらったんだっけ。あらためて聴いてみるなら、それは奇蹟の音楽だった。一枚のアルバムにこれだけの名曲が詰まっているのも凄いんだけれど、その時、彼らが煮詰まっていたってことが信じられない。意外に無茶なミキシングだったりもして、そこがエッジとして格好よかったりして、僕らがスポイルされてしまったことも教えてくれる。それにしても、「let it be」は奇蹟の集合体だった。凄い。  こんな風に僕らは旅をする。例えば、「アクロス・ザ・ユニヴァース」のシングルヴァージョンはバリ(分からないよね、テープの走行速度のことです)のピッチを思い切り上げていて、「帰って来たヨッパライ」の一歩手前くらいの感じを、我々は格好良いと思って聴いてきたこと。ビートルズにとって、ジョージ・マーチンにとって、それがデフォルトのようなものであったこと。コンピュータ世代になると、バリを上げることは、逆に難しくなってしまったこと。ビートルズの進化に合わせて、機材も進化してきたこと。彼らが革新的なことを確信を持ってトライしてきたこと。いろんなことが改めて浮き彫りになってくる。ならば、いつだってクリエイターは保守に廻らず己に対して革新的であるべきなのです。メロディーは出尽くしたと云われる。だから、何だ、と僕は思う。まだまだトライすべき余地はあるし、僕らはそれが不可能だなんて、これっぽっちも思ってはいない。それよりも、トシを取ってひよっていく自分たちに吐き気を催す。今日、二人で話したこと。残された時間はもうそんなに長くない。だったら、行くのさ、宇宙まで。  そんな訳で、明日も明後日も四国も、みんな来てくれ。僕らは本気だ。  ともだちがこんなblogを観た、と教えてくれた。嬉しかったな。ありがとう。これぞ、プロモーションだと思う。誰か知らないけど、嬉しい。 こちらっす。

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退屈は敵だ。

2月10日 木曜日 曇り   明日からツアーに出る独身ミュージシャンがゴミ出しに失敗したときの哀しみって分かります?僕が生息しているエリアのゴミの分別は大変に厳しく(それはいいことだと思うけど)、おまけに計ったように午前7時から8時の間に、周囲の家はゴミ出しをするので、不規則な生活を送る僕には大変なプレッシャーがかかります。本日、僕の手違いで、ゴミの種類を間違えて出してしまった。すると玄関前のゴミには「このゴミはルール違反です」とのシールが。するってーと、この生ゴミはツアーから帰ってくるまで出せないことになる。嗚呼。  それはともかく。家に置きっぱなしの生ゴミが腐敗しようが、それによって新種の生物が誕生しようが、僕と魚先生は明日からまたツアーに出ます。岡山、広島、高松、3公演です。今まで観に来てくれた人も、そうでもない人も、どっぷりとspeechlessの世界に浸ってください。こんな音楽、何処にもありません。今回はパスしようなんて人は、是非来てください。どーしても、観て欲しいのです。高松公演。本当に僕らの機材はあの狭い空間にセットできるのだろうか。でも、たとえ1cmしか動くことが出来なかったとしても、何とかライヴはやり切ります。そのあたりもお楽しみに。  speechless、今回はすべてのレコード店で手に入れてもらうことができます。ただし、この時代に魂入れて、いろんな活動をしている連中とも勝手に連帯してやっていきたいと。いつものように、それらのお店のリストは以下に。今回はお菓子屋さん、なんて変わり種もあります。店主から送られてきたディスプレイの写真には「原材料には光と根性を含む」と、あは、君なかなかいいセンスしてるね。ありがと。 同じように代官山でテイラーを営む岡田くんから以下の文章が。僕は既成の服がまったく合わない身体になってしまったので、彼に作ってもらおうか、と。 http://aworkroom.exblog.jp/15891982/ これらのお店の情報は「speechless 特設ページ」にあります。 http://no-regrets.jp/heatwave/disc/2011/speechless/index.html  はてさて。先月マラソンを棄権してからも、黙々と走っておりました。既に頭は6月の100キロマラソンに切り替えました。フルマラソンのようにスピード練習も必要ないのですが、ただ黙々と長い距離を走る。最低でも一日に20キロ。これはなかなかの苦行です。新しい敵は「退屈」。速くないので、まったくキツくないのですが、本当に「退屈」。とはいえ、音楽を聴きながら走るのは嫌いなので、毎日ひとつの課題を自分に与え、解決法を考えながら走る。そんな風に時間を使っています。

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speechless発売日

2月9日 水曜日 曇り   ようやく「speechless」発売日です。本当に嬉しい。長かったなぁ、とか、いろいろ。みなさんの日々で響くことを願っています。いろんな感想があると思います。良かったら、聞かせてください。  注文していた新しい機材がすべて届きました。ほぼすべてのものを入れ替えました。宇宙に行くためのマシンみたいなものかな、僕にとっては。どの機材をどう結線し、どういうときに使うのか。曲が身体に入らないと演奏できないのと同じで、それを動物的に使えるまではしばらく時間がかかりそうです。久しぶりに家でずっとギターを弾いていました。愉しい。 「speechless」より「starlight」のフルバージョンPVです。お楽しみあれ。 それから、アルバムを購入したくれた方には映像のDLパスワードが封入されています。映像チーム入魂の作品です。是非、観てください。

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年を重ねること

2月8日 火曜日 晴れ   「speechless」、明日発売です。どうぞ、よろしゅうに。この時代ゆえ、あちこちで配信もされます。できれば、アルバムで手にして欲しいと思ってはいますが。詳細は以下に。 http://www.five-d.co.jp/heatwave/110206.html  このところ、車の中ではマイルス・デイヴィス(車窓が違ったものに見えます)、仕事場では佐野元春さんの「月と専制君主」、エミ・マイヤーさんの新作、そして長野のgood timesで手に入れたマリアンヌ・フェイスフルの「easy come easy go」がエンドレスで流れています。寝ている間もです。  これらの作品から考えさせられるのは「加齢」について。佐野さんの新作には制作過程を追ったドキュメントDVDが付いていて、ミュージシャンたちが壁を突破したときに見せる表情が素晴らしいのです。そしてミラクルへと導く手腕はさすがなもので、受け入れることも含めて、素敵な年の重ね方だなぁ、と。制作現場を垣間みた後、アルバムを聞いてみると、愛着が倍増します。エミさんはとても若いのだけれど、耳を澄ませてみると、ほのかに毒が聞こえてくる。あの、決して悪い意味ではありません。そこが好きなのです。マリアンヌ・フェイスフルは名プロデューサー、ハル・ウィルナーの魔法によって、これまでの人生の悲哀をあのしゃがれ声で歌い上げます。でも、今までの彼女の作品にない、そこはかとないあたたかさから「希望」が浮かび上がってくるのです。何とも味わい深い。  さて、君は加齢とどう向き合うんだい?そう聞かれても、今のところは抗うことしか僕にはできそうにありません。無意味なほど、身体を鍛えたせいで、まだ抗っていたいのです。稀に弱ったときには魚先生が教えてくれたマイルスのtwitterを読んでみます。誰がやってるのか知らないけれど、彼の言葉はいちいちビンタのように効くのです。 http://twitter.com/I_am_Miles

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Dの宇宙

2月7日 月曜日 晴れ ギターを握ったなら、最初にどのコードを押さえますか?僕は昔からDです。魚先生はGだそうです。EmやAmって人は僕より上の世代にたくさん居たような気がしますが、この頃は殆ど見かけません。勝手な解釈だけれど、Dを弾く人は無意味に理想主義者で夢想家が多いような。Gの人は末広がりに安定している人物。そんな気がします。 デビューして間もない頃、レコード会社の人間に拉致されて、矢野顕子さんのライヴを観に行ったことがあります。彼女がワンステージで弾きこなしたたくさんの和音、その殆どが僕には分析不可能なものでした。僕は楽屋に挨拶に行くこともなく、ひっきりなしに人が行き交う渋谷駅のベンチでどっぷりと落ち込んだのを覚えています。果たして、自分はプロとしてやっていけるのかどうか。2時間後くらいに、はたと気づいたのです。僕はあの和音は弾けないけれど、「竹で割ったようなDを弾かせたら世界一になればいいんだ」と。こうやって、僕はDの宇宙に飛び込みました。 渋谷のライヴを終えて、僕は爆音と共にDの宇宙の住人になっています。「Land of music」から引き継いできたものは「speechless」で一旦終わり、これからはバンドと共に、新しい地平へと、肉体で突破していくのだと思います。この4年ほどの時間はそのための長過ぎる内省の時間だったのか、と。僕はこの期間に、手に負えない自らのエゴとの付き合い方を学んだ気がしています。 「speechless」は2/9発売です。全国のすべてのレコード店、ネットショップ、配信サイト等で手にしてもらうことができます。けれど、この時代、音楽への愛を込めて営業を続けているお店がどんどん潰れていくのは、時代の流れとは云え、堪え難い思いです。このアルバムもまた、それらのお店と連帯してやっていくつもりです。詳細は近々アップできると思うので、しばしお待ちください。 いくつかのインフォメーションを。 まず、「speechless」特設サイトが出来ました。 http://no-regrets.jp/heatwave/disc/2011/speechless/index.html 今週末から魚先生と僕は岡山、広島、高松を廻ります。新しい機材と共にパワーアップしている「はず」です。 2月12日(土) 岡山 Blue Blues 開場/開演=17時/18時 チケット料金=(前)4,000円 / (当)4,500円 (税込 / ドリンク代別) 問=Blue Blues tel_086-227-5000 メール予約=koji_m1966@n.vodafone.ne.jp(宮本) 2月13日(日) 広島 ヲルガン座 開場/開演=17時30分/18時 チケット料金=(前)3,500円/(当)4,000円 問=ヲルガン座 tel_082-295-1553 メール予約=organzainfo@gmail.com 2月15日(火) 高松 Bar RUFFHOUSE 開場/開演=19時/19時30分 チケット料金=(前)4,000円/(当)4,500円(税込/ドリンク代別) … 続きを読む

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