月別アーカイブ: 8月 2012

爆音作曲中

8月7日 火曜日 晴れ 「未来を創ること」本日もお休みです。悪しからず。 山の家を片付けに帰って、ネットも携帯もない世界で作曲に没頭するという些細な夢はクルマが壊れて不可能になりました。あの家、いったいどんなことになってんだろ?でも、出来ないことは出来ないのだから仕方ないけど。 ネガティヴなスパイラルに巻き込まれる前に、どりゃーっといつもより強力に負荷をかけて、海沿いを走ります。ほとんど何かの「行」みたいですが、帰ってきたら、あまりのキツさに嫌な感情は消え失せてます。素晴らしい。 何だかね、身体の芯のところに随分何かが溜まってるのです。それが曲なのか何なのか未だに分からないのだけど。なので、グレッチを新しいアンプに繋いで弾きます。エレクトリック・ギターで作曲するってのはかなり肉体的な作曲です。走るのと、ほぼ同じ。 僕が30年近く使ってきたアンプ。もうさすがにツアーに耐えられないのです。こんな古いものを使っている人は見かけません。引退させるにも、新しいアンプを育てなければなりません。ギターもだけど、アンプも育つのです。ほんとだよ。 何年か前に、フェンダー社に行って、そこにある全てのアンプを弾きました。いちばんピンと来たものを買って、何度かライヴで使ってみたけど、全然いい音がしない。つまり、育てなきゃならんのです。

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忘れられない風景

8月6日 月曜日 雨のち晴れ 8月6日。 この日がくるたびに思い出す、忘れられない風景があります。例年、それを記してきたので、今年は書きません。知りたい人は過去のblogを読んで頂ければ。 —————————————— 独立して生きるってことは、「all by myself」ってことです。少し時間ができると雑務に追われます。普段からネガティヴなことを記さないようにと思ってますが、かなりメゲます。役所を何度も巡り、タライ回しにされ、吐きそうになりながら、ようやくメドをつけました。さぁ、今度は1200キロ爆走して、おそらく先日の豪雨で無茶苦茶になっているであろう山の家を何とかしなきゃ、と思ったら、飛び石でクルマのフロントガラスが割れました。こんな状態じゃ帰れないじゃん。身体が二つ欲しいとか、有能な秘書が欲しいとか、あーもう。でも、こういう事が起きるのは何かのメッセージなのです。それが何なのか、考えないとね。 —————————————- てな訳で、「未来を創ること」本日はお休みです。未来の前に、お前が今を何とかしろって状態だからです。悪しからず。

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未来を創ること #3

8月5日 日曜日 晴れ とつぜんですが、バンドの魅力って、やってる側からすると、どんなものだと思いますか? 若い頃やデビュー時はともかく、このトシになるとメンバー同士で飯を喰うとか、酒を飲みにいくとか、プライベートな時間を共に過ごす。そんな機会はほぼ皆無になります。ツアー中を除いては。良く云えば、それぞれの「違い」を尊重しているのだし、会わなかった空白の時間を音で会話し、表現する。それが「仕事」なのだと全員が無言のうちに理解しているのだと思います。 そもそも。こういう生業に従事している人間は、一般的なこと(フツー、人間として当たり前に出来なければならないこと)が欠落していたりもします。例えば、僕の場合、公共交通機関に乗れません。仕方なく飛行機には乗るけれど、かなりの苦痛を伴います。見方を変えれば、かなりの部分で社会人失格。そんな連中が心の何処かで唯一前向きに「所属(この言葉はあまり好きじゃないけど)」しているものがバンドなのです。バンドは社会の縮図です。この破天荒で個性溢れる人たち4人とうまくやっていけないのなら、僕はほんとうに社会とコミットできなくなる。そう思っています。 新しい曲のたたき台のようなものをスタジオに持っていきます。僕はただ延々と歌って演奏しているだけです。むろん、頭の中には完成形のイメージがあります。でも、それを口にすることはありません。しだいに音が重なってきます。会わなかった時間の空白はそれをパイのように幾重にも塗り込んで埋めていくのです。そこにはワン・アンド・オンリーの人々のアイデアが自然に込められていきます。頭の中の完成形と違ったものになればなるほど、僕は幸福な気分になります。これは長い時間をかけて、創られた僕らのやり方です。前もってヘッドアレンジを施し、スタジオに行って、思った通りの演奏をしてもらうだけなら、バンドである必然はないのです。 ———————————————————— 同じように。MY LIFE IS MY MESSAGEへの関わり方にも、それぞれに違いがあります。それでいいのです。だからこそ、僕がソロで廻ることより、伝わるものがあるのです。広い幅がある、と云うか。 HEATWAVEと云うバンドは池畑潤二が「本気で」フィルを叩いた瞬間に全員が戦闘態勢に入ります。それがいつやって来るのか、多分池畑さん自身も知りません。 8/17に郡山で遠藤ミチロウさんが主宰するイベントに出演します。中心になってオーガナイズしたのは僕ではなく、渡辺圭一です。必然性があり、そこに目的があるのなら、僕らはフツーに集まってきます。そこで感じたことを9月のツアーに繋げていく。そんな根拠のない確信が僕らにはあります。 「Land of music」をリリースしてから、随分と時間が空いてしまいました。この激しかった一年数ヶ月を走り抜けて、ようやくそれをバンドにフィードする時がやってきました。今回は12月に繋がる流れの中で、新日本製薬のサポートも受けて、映像、照明、音響、プロジェクト、物販。チームすべてが帯同します。総合的なニンゲンの力をお伝えします。是非、足を運んでください。 詳細はこちらから、どうぞ。

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未来を創ること#2

8月3日 金曜日 晴れ 全国を廻るうちに、震災や原発事故で直接被害を受けなかった人たちも、また別の形で傷ついているのだと云うことを知りました。「自分も何かをしたいのだけれど、遠く離れていて、日々に忙殺されて、何をしていいのか分からない」。大まかに云って、心ある人たちはそのような傷つき方をしていました。 やがて僕は自分の口で「寄付してくれ」と一度も云ったことがないにも関わらず、そのような人たちからお金を託されるようになりました。街を歩いていて、いきなり千円札を渡されたこともあります。本当の話です。正直に書くなら、重かったです。人々は何故、こんな不良中年にお金を託そうとするのか?その金額が日に日に膨らんでいったとき、僕はそれらの気持ちが還流するシステムを作らなければ、被災していない人も救われないのだと知りました。 僕らの仕事は現代という荒野に生きる寅さんみたいなものです。今日はあの街、明日はあの街。ときどき、朝目覚めると、自分が何処に居るのか不明なこともあります。そして、ネットがいくら発達したと云っても、人々はダイレクトな繋がりを求めることは止めません。 ある日、こんなことがありました。 どう考えても、僕のライヴ会場では見かけないタイプの化粧の濃い、香水の匂いをプンプンさせている女性の一団が居る。聞けば、彼女たちはキャバクラ(僕はその手の店に行かないので、正式な呼称を知りません。間違ってたらごめんね)で働いていて、遠い福島のことに心を痛め、お客さんから募金を集めたのだけれど、有効に使ってくれそうな団体が見つからない。そこで、誰かから、このような不良ミュージシャンが居るので、ライヴを実際に観て、信じるに足りる人物かどうか、自分たちの目で確かめた上で、お金を渡しに来たのだと。僕は奇妙な感動を覚えました。狭い楽屋に複数の強烈な香水の匂いが立ちこめる中(余談ですが、僕は香水が苦手です。百貨店の1階に10分居たら、お腹を壊します。ほんとです)、僕は彼女たちに聞いたのです。「ほんとうにオレでいいの?」。彼女たちはまっすぐに僕を観て、こう云いました。「お願いします」。 現代社会は自分の暮らしや仕事がどのように世界と繋がっているのか、と云う感覚が希薄です。目を向けない人も多いのだけれど、極端な例を挙げるなら、福島県相馬市とアフリカのキンシャサですら、必ず何処かで繋がっているのです。ヴァーチャルではないのです。自身の暮らしを守ること、それを美しくすることは大切です。でも、もっと大きな対象に愛を注ぐことも同じくらい大切だと思うのです。その愛はいつか形を変えて、自分のところに還ってきます。自分のことを考えるだけでなく、見返りを求めることなく、まずは他者を思いやる。それが自分を美しくすることのほんとうの意味だと僕は思います。 ライヴを重ねるたびに、各地に驚愕のアホ(褒めてます)が増えていきました。「君は何でそこまで人のことを思えるのか?」。そのような人物が僕や、相馬の人々を励まし、そして動かしたのです。 僕はコンサートやツアーに来てくれた人々の想いが相馬に届き、相馬からまた想いが還ってきて循環する。そのようなことを夢想します。ただし、大人がやるべきことは夢を観ることではなく、結果を出し続けることです。 今日はここまで。そろそろ具体的なことも書こうと思います。(つづく) 追伸 相馬の人々が日々を綴るプロジェクトのblog。これからも街の生きた情報を届けてくれるそうです。嬉しいなぁ。 http://mymessage.jugem.jp/

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未来を創ること #1

8月2日 木曜日 晴れ 8月って。 いったい7月はどのくらいあったんだろう?全国を走り回っているうちに、あっと云う間に過ぎてしまいました。 これから数日かけて、僕らのプロジェクトが年末に実現を目指していることについて、伝えていこうと思います。 その前に、9月の「MY LIFE IS MY MESSAGE ツアー」。矢井田瞳さんの参加が決定しました。てな訳で、参加メンバーはHW、ヤイコちゃん、天才即戦力フィドラー岡村美央ちゃん、プラスα(発表はもうちょっと待ってね)。HW史上、こんなに女子に囲まれたことはありません。女子チームの参加で、華やかになることは間違いありませんが、HWのロックンロールの神髄も存分に味わって頂くつもりですから、軽失禁パンツをお忘れなきよう。HWは最強だと自負していますが、いつだってフィドルの音に飢えていました。美央ちゃんは無限の拡がりを、ヤイコちゃんは創造力で人は飛翔するこができることを、伝えてくれると思います。 発表が遅れて、ほんとうに申し訳ないです。ただ、下に記すように、不確定要素に甚だ振り回されるのが現実なのです。チケットのP-コード等が不明だとの問い合わせもたくさん頂いているそうです。至急、スタッフが対処します。云うまでもなく、このツアー。相馬の今を伝え、一緒に「腰」で未来を考える内容になります。是非、来てください。 —————————————————————————– 閑話休題。 オリンピックの華やかさや、日々の慌ただしさの中で、被災地相馬のことがこの列島を包む夏の蜃気楼のように、ぼんやりと霞んでいくのを感じています。相変わらず、毎日現地と連絡を取り、可能な限り彼の地に足を運びます。状況が良くなっているとは甚だいい難いのです。正直に書くならば、未来は見えません。残念ながら、暗中模索。まずはそのことを伝えなければ。 たとえば。 今日、現地スタッフたちが線量が高いことで有名な某地区の小学校を訪ねました。年末のイベントに向けて、足がかりを作るため、校長に会いに行ってくれたのです。夏休み中に、僕らは「子供たちの今」を記録しておこうとしたのです。ところが。大部分の子供たちは海外や、他府県に疎開していたのです。それは政府ではなく、心あるいろんなプロジェクトの尽力のおかげでもあり、素晴らしいことです。でも「疎開」ってあなた?戦時中でもあるまいし、美しい故郷を夏休みだけでも離れなければならないこの状況が、相も変わらず「有事」にあることの意味だってことを理解して頂けますよね?あり得ない。何度も何度も、ここで書いてきたように。そこに住んでいない我々は「じゃ、何処かに引っ越せばいいじゃん」って思いますよね?実際のところ、それが可能な人たちは既に実践しています。苦労しながら、知らない土地に溶け込みつつある人たちも居ます。うまく行かず戻ってきた人たちもいます。そして、様々な事情で何処にも動けない人たちが居ることも、どうか理解して頂きたい。相も変わらず、そのような状態なのです。 繰り返し書きます。福島の人たちは原発事故さえなければ、復興に取りかかることができたのです。現地の人と話せば話すほど、痛感します。復興したくてもできないのです。何故、こんなことになったのか、今一度考えてもらいたい。僕自身もふくめて。これだけの汚染を引き起こしておきながら、誰ひとり責任に問われることもありません。でも、全国を旅するのが仕事でもある僕が云えるのは。明日は我が身ってことです。あなたにも明日、突然ふりかかる可能性があるってことです。だから、僕らはこの現実と向き合わなければなりません。当たり前です。自分のこととして考えるってことです。 このように「未来」のために何かアクションを起こそうとしても、すべてのことが一筋縄ではいきません。常に問題山積。時間の推移と共に、それらは複雑に入り組んでいきます。本来、このような事態は、政府が国策に於いて道筋を作るしかありません。でも、彼らにそのような気がないこと、視線が福島を向いていないことは、みなさんも理解して頂けると思います。 ならば、僕ら市民がやるべきことはたくさんあります。誰かを罵る前に、「未来」を創るためにやるべきことが。 全国34カ所を一人で廻ってきて、何が変わったかと問われるなら、相馬の心ある人たちの意識です。以前より、ぐっと前のめりに関わってくれるようになりました。「僕が死んでもプロジェクトは継続する」ようになってきたと思います。つまり現地相馬の意志を中心に動き始めたのです。それもこれも、全国で僕らを支えてくれたみなさんのおかげです。そのエネルギーが彼らを動かしたのです。ひとりひとりの名前は記せないけど、そこの君。君のおかげだよ。「諦めないかぎり、不可能はない」とあらためて僕は思っています。「未来は僕らの手の中にあります」。まず、これだけは伝えておきたい。(つづく)

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