日別アーカイブ: 2025年1月18日

sounds

1月18日 土曜日 晴れ 一番嬉しいのは「音がいい」って言われることです。 レコーディングエンジニアって、専門職です。それをわたすがやるようになって、もう四半世紀になるかな。NHKで放送されたアニメ「ヒヲウ戦記」のサントラを担当することになって、わたくす考えました。舞台が戦国時代の冒険活劇ゆえ、普通のレコーディングスタジオで演奏しても他のサントラと同じようになってしまう。 そのアルバムはビクターから発売されたのですが、担当名物ディレクターの野崎さん、わたすに製作費を渡すので、好きに作ってくれていい、と。 燃えました。 で、宮城県蔵王町にある廃校になった小学校が牛小屋になっていた建物を1日1万円で借り、製作費で機材を買い込み、トラックで運搬。午前中に作曲、昼からレコーディング、日が暮れたら飲む(自炊)って日々を過ごしました。ちなみにわたすは犬とテントに寝ていました。 おかげで今でもテレビでよく流れています。           思ったんです。これは全部自分でやってみよう、と。 録音したものを東京に持ち帰り、自分の仕事場でミックスしました。当時、まだアナログだったので、機材の熱で地獄のような暑さだったけど。笑。 こうして、エンジニアデビューを果たしたわけです。音楽に正解はないから、自分の理想の音を目指して進んでいけば、かならず辿りつけるという根拠のない信念だけがあったのです。 たとえばオフィシャルブートレッグはすべての音がバラバラに録音されています。ドラムで10トラックくらい、魚ちゃんが9トラック、わたすが4トラック、観客に4トラック、それに今回アコースティックコーナーがあったので6トラック。合計33トラック。 それらを調整しながら混ぜていって、バンドのライヴ空間の音を作っていくわけです。なぜ、僕がミックスするかというと、僕の頭の中で鳴っている音、バンドとして鳴っている音を表現するためです。 それらに正解はありません。正直にいうと、エンドレスな作業。 この作業のおかげで「作曲」の時間は減るけれど、ひとつひとつの製品に愛を注ぐのは大事なことだと思っておるのです。 だから「音がいい」って言われるとほんとうに嬉しい。なによりも。鈴木酒造長井蔵のお年玉CD-R、音よかったでしょ?ちゃんと酒蔵の音がしてたと思うんです。 そういうのも楽しんでくれるととっても嬉しいです。

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