日別アーカイブ: 2022年8月24日

旅の終わりに

8月24日 水曜日 雨   なにもかもが速すぎて、近すぎて、多すぎる時代。辟易としてたのね。この国特有の同調圧力にも。  だから、バイクで旅するってアホなことを考えた。バイクは不自由。だからいい。なにもかも思い通りになんかなりやしない。コケたら死ぬし。  だから、人は止める。でも、これはオレの人生だからね。好きなように生きる。十分に気をつけた上で。  旅の終わりにようやく墓参りをして、たいせつな人に会った。自分に流れている血についても深く考えた。  最後の日に育った町にできたペカペカのホテルに泊まった。とはいえ、そこは埋め立てられた土地で、だんだん怒りがこみ上げてきた。僕らを育んでくれた山を見ながら、オレに無断に埋め立てんじゃねー!と思った。なにがアイランドシティーじゃ、このバカタレが。  その地形ができるには訳があるんだ。数億年かけて、こうなってんだ。ニンゲンが勝手にこんなことして、いいわけがない。育った町は切り刻まれ、新しい道が無尽蔵に作られ、オレが知っている店、商店街、すべて死滅。わずかにバイトしてた蕎麦屋が一軒残っていただけだった。  遊んでいた池も埋め立てられ、片側三車線の道が作られ、かつてのほとりにはスターバックスが建っていた。爆破したかった。遊んでいた山は無残に削られ、宅地にされていた。  俺たちはいいんだ。かつての町を知ってるから。でもね、これからの子供達の原風景がこれでいいのかって。オレは本気で怒ってる。   なんだか、ほんとに悲しくなる。バカな政治家の決断。でもって、あのバカたれどもを選んでんのは人民というアイロニックな構図。  目を醒ませよ。  オレは今回ナビを捨てた。だって、かつてそんなものなくたって、世界中旅してたんだから。雨雲レーダーとオレが天気を読む目とどっちが勝つのか。このフェリー乗り場に来るまで。降水確率100%。でも、オレは空が読めるようになってる。なんとか降られずに済んだよ。これから7時間待ちだけどね。  スポイルされるのは嫌だ。オレは野生を保っていたい。  これから1日かけて帰ります。故郷での経験は音楽に豊かな形でフィードできたら、と思っています。

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