日別アーカイブ: 2013年3月11日

Mr.PAUL BRADY DAY#3

3月10日 日曜日 曇り ポール・ブレイディー東京公演最終日。 優れたシンガーのすぐ側にいるってことは、またとない学びの機会でもある。彼は主人公を演じるように歌うときもあるし、主人公そのものの時もある。客観性を保って、ストーリーテラーのように歌うときもある。観客はステージにたくさんの短編映画を観る。ひとつのステージでこれだけのキャラクターを使い分けるってことは簡単なことじゃない。僕はバックステージで表現の可能性について、彼の後ろ姿からたくさんのことを学んでいる。ほんとうに、何というか、プライスレスだ。 彼と同じステージに上がり、一本のマイクを巡って、彼から放たれるエネルギーの渦に包まれ、ふたりで「この一瞬」に賭ける。ミュージシャンは素敵な商売だと思う。幸福だ。昔だったら、どえらい緊張したと思う。でも、そんなことより、「この一瞬」が愛おしい方が勝る。歓びの中で、僕はまた彼に教えられる。贅沢だ、と思う。プライスレス、アゲイン。 明日、移動日の彼が「ヒロシの11日の福島でのパフォーマンスを観たい」と云ってくれたのだと。嬉しかった。だから、食事中にちょっとだけシリアスな話をした。「福島は今、どうなんだい?」と彼が聞くので、状況を伝えた。その時の彼の表情が忘れられない。ひどく真剣な目で「政府は何をやってるんだ」と云った。こうやって、65年の人生の中で、いろんなことに胸を痛め、傷つきながら、それを糧にして彼は歌を書いてきたのだと思う。同じステージで名曲「CRAZY DREAMS」を演奏するとき、移民せざるを得なかった人たちの思いに僕はぐっと来る。彼からもらったエネルギーを明日、福島に伝えてこよう思う。 追伸 ライヴ時、最前列、僕の目の前で、ポールを食い入るように見つめ続けていた若いあなた。たぶん、お母さんと一緒に来てたのかな?違ったらごめん。僕はあなたに伝えたいことがある。もし、これを読んだら、サイト宛にメールをください。  

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