月別アーカイブ: 3月 2014

僕とライアンの微妙な関係

3月8日 土曜日 吹雪 今日は山のトップのあたりは吹雪いていたのです。そうなると、すべてが灰色の世界。上下の判断さえつかなくなりそうです。グレイ・アウト。集中していないと思考を持っていかれます。危険です。細心の注意を払って、崖を進んでいきます。何度もパウダーの海に埋まったけれど、それはそれで素晴らしい経験。ってか、言葉で伝えられないのがもどかしい。同じ状況が二度とないってのがきっと好きなんでしょう。海沿いを走ることと同じです。 何枚か(山の写真はぜんぶiphoneです。カメラは覚悟がないと危険なので)写真を撮ったのですが、グレイ・アウトの世界は当然ながら、グレイでしかないのです。幽玄ではあるけどね。なので、今日は山の写真はありません。悪しからず。 僕は去年と同じ家にお世話になっています。インターナショナル・居候です。僕には家族が居ないので、誰かが家の中にいるってだけでとっても嬉しくて、新鮮。朝や帰ったきたときに挨拶するのが、嬉しい。「Good morning!」とか「Welcome back!」とか、これだけで気持ちがあがります。ここに居る間に「Welcome back」って曲を書きそうな。あ、ついにギターケースからギターを出しました。そんな気分です。 しかーも、人だけではなくここには猫が居るのです。僕は動物何でもオッケー。動物もたいてい僕がオッケー。相思相愛。昨年も蜜月を過ごしたライアン(命名@オレ)。ここに戻ってきた当初は警戒していましたが、だんだん僕のベッドに来るようになりました。幸せっつーか、癒されます。奴は英語で猫語、僕は博多弁。2匹の微妙な関係は夜中続きます。つーか、あいつの肉球臭くて癖になりそうです。臭い!でも可愛い。ついでに息も臭い!でも可愛い。

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頑張らないことを頑張るはずだったのに

3月7日 金曜日 晴れ 全力中年。連日の激しい運動がたたって、朝起きたら、身体がガビガビ。廻るべきものが廻らず、伸びるべきものが伸びない。 で、本日のテーマを決めました。「頑張らないことを頑張ってみる」。それって、全力中年にはかなり難しいことなのです。でも、木を観察し、いつもより、丁寧にひとつひとつの動作をチェックする。そこで、昨日達人に受けたアドヴァイスがひどく響いたのです。お?これはすごいことに気づいたかも、俺の身体。 ここでコペルニクス的転回。どんな状況でも通用する奥義を知ってしまったのですね。そしたら、不思議なもので、身体が復活、結局、身体の底からなかったはずの力が湧いてきて、ギリギリまでやってしまう全力中年。 教訓。頑張らないことは頑張れない。おそまつ。  

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普遍と不変と不偏を探しに、bowlにて

3月6日 木曜日 晴れ 僕は南の人間なので、そこで育った者たちの多くはウインター・スポーツはブルジョアのものだと思いこんでいたのです。 かくいう僕も雪山に初めて足を踏み入れたのは40も半ばになってからだったし、斜面を人が滑っているのをみて、びっくりしたのを昨日のことのように覚えてます。 滅多に使わない言葉に「せんせい」ってのがあって、いわゆる「せんせい」と云われる人たちがお互いを「せんせい、せんせい」と呼びあっているのを見ると、豆鉄砲を乱射したくなるのです。アホか、お前たちはって。 ただし、地球上でたった一人だけ僕が「せんせい」と呼ぶのは、何もできなかった僕にスキーを教えてくれた「せんせい」。彼がドアを開けてくれたのです。だから、そこから先は頑なに誰の指導も受けません。たとえ、なんじゃーあいつは基礎もクソもないぜ、と笑われようとも、僕は僕でありたいのです。無駄に頑なです。だって、音楽はそうやってきたんだもん。だから、せんせいはとてもプレシャスな存在です。彼から教わったという無駄なプライドを背負って、今日はbowlに行きます。初めて行ったときは100%恐怖しかなかった、あのbowlに。 今日もね、ほんとうにキツかったです。金と時間を使って何をやってるんだって、ちょっと思ったけど。でも、完全に自然のままの山に入らせてもらって、メゲずに自分にチャレンジし続けていると、恐怖が歓びに変わっていくのです。つーか、恐怖とは自分の無知が作り出したものだってことがよーく分かるのです。得難い経験なのです。こんな歓び、あまり感じたことがないのです。いつも単独行動だけれど、ちっとも寂しくなんかないです。都会に居る方がよっぽど寂しい。 もうすぐ新しいチャレンジを始めます。50になって、また始めんのって、まったく何も出来ない感じが素晴らしいのです。少しづつ、少しづつ、恐怖がなくなっていくのって、愉しくないすか?それとも、オレはバカ?  

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time has come

3月5日 水曜日 晴れ いったいどれだけのファイルが太平洋上を飛びかっているんだろう?山からヘロヘロ(ガキの頃、野山で遊びすぎて疲れきった感じ)になって帰ってくると、僕のソロアルバムに関するもろもろの連絡が毎日たくさん届いている。 吸い込まれるような眠気と闘いつつ、僕はキッチンで夕食を作りながら、チェックし、返信を書く。前にも書いたけれど、ここで料理をするのはかなり難儀なことで、料理と返信のピークを合わせながら、二国間で滞りなく仕事を進めるのは、標高4000メートルの頂上で美味しいパスタを作るくらいには難しくて、やりがいがある。笑。 音をチェックするには自分のスピーカーとアンプが必要だけれど、さすがに持ってはこれない。だから、いつも使っているヘッドフォンをコンピューターにぶっ差して、(最近は1GB近い音のファイルも送受信できる)あーでもない、こーでもないと考えつつ、料理を作る。右手にヘラ、左手に鍋、頭にはヘッドフォン、思考はイコライジングについて、みたいな。ちょっとだけシュール。 今回、マスタリングは魚さんにお願いした。目指している表現世界が難しいものだったので、やり取りが多岐に渡ると思ったから。ならば、ツーカーで話が通じる彼とネット上でやり取りした方がいい。何せ、我々は「SPEECHLESS」をほんとうに会話することなく、もちろん会うこともなく、ネットのやり取りだけで完成させた実績があるわけだし。 にしても。僕の超無茶ぶりのリクエスト(しかも、ベリー細かい)にすべて音で(彼のメールは劇的に短い = 量として僕の20分の1くらい)応えてくれる。やり取りはすでに5~6回に及び、その度にピークに近づいていく。 デザインは某Tに丸投げ。彼が作ったものが響かなかったことはない。言葉をデザインできる希有な存在。無口で誠実なプロの仕事。 そして、ここには書かないけど、重要なブレーンが。彼なしではこのプロジェクトはまったく成り立たなかったと思う。ありがとう。君だよ。君のことです。 ジャケットはね、お楽しみに。30年の時を経て、某人の作品が寡黙に輝いている。その事実がとても嬉しい。詳細はまたいづれ。time has come。時は来た、んだね。 ——————————– なーんて、今日も崖に人生を教えてもらって、もうボロ雑巾。明日は夢の、大好きな、bowlに行こうか、と。blowについてはこちらを。目標は怪我なく生きて帰る。わんわん。 オレに今、必要なのはローリング・ストーンズじゃなくて、自然だ。 がんばった自分に褒美をと、ビールを買いに行ったら、ID見せないと売ってくれなかった。オレは50歳だと云いはったが、信じてもらえなかった。あり得ない。笑。

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3月4日 火曜日 晴れ 今日から崖に通う。 どうしてか分からないのだけれど、崖に居るときの緊張感がひどく好きで、ピリピリに張りつめた精神が気持ちいい。鼓動から息づかいまでが聴こえてきて、それが地球のものと同期したとき、謙虚な気持ちで、降りてみる。同じ状況は二度とないから、目や耳や足や、とにかく何もかも。入ってくる情報をすべて分析して、今やるべき行動をする。それでいいのか、どうか僕には分からないけれど。 でも、生きてるなぁ、と思う。 痺れる。    

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忘却とパウダーと

3月3日 月曜日 雪のち晴れ 癒えていくことは、忘却でもあるのかな? 誰かの顔が思い出せなくなって、妙に嬉しいという不思議な体験を山の中でする。 便利って何だろう。 ここでは食事を作るのも一苦労。標高が高いと沸点が低いから、美味しく調理するのはかなり難しい。一見、沸騰しているように見えて、実は指を入れても平気だったりする。でもって、料理器具が貧弱ときた日にゃ、メゲそうなものなのだけれど。自分の反応は逆。どうにか工夫して美味しくしようとする。実際、日本に帰って、何ひとつ不自由のない自分のキッチンに立った瞬間、頭の中にはでっかい ? が 浮かんだりもするしね。便利って、何だろう? だから、愉しい。 自分の足には自信があった。タダのミュージシャンなのに、毎日20キロ走るわけだから。しかし、山で必要な筋肉はそれではなかった。達人に「air chair」なる鍛錬法を伝授されたが(それは10分できなきゃ意味がないらしい)、な、なんと、初日にできたのはたった1分。それは燃えるでしょう。自分を許さないでしょう。50歳。現在、2分半、死ぬほど辛い。 そんな日々なので、身体が日々変化しています。 だから、面白い。 日々、種類の違うパウダーに翻弄されております。まだ去年のレベルに戻れません、ひょっとして老化してる?崖なんて、とんでもないです。舐めたらあきません。修練が必要です。ありがとう、山の神。神って嫌だな、主にしよう。ありがとう。主。その存在はほんとうにいるよ。 だから、生きている。感謝です。謙虚になります。 あなたは何人?と聴かれたら、地球人と応えようと思います。で、英語で何て云うんだろ?誰か教えて。

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いのちの洗濯

3月2日 日曜日 雪 更新遅れてすいません。 えっと、三日目にして、ようやく高度にも、空気にも、生活にも、慣れてきました。 道中、けっこうな額が入った財布をなくしました。自分で云うのもなんですが、いままでどんな過酷な旅をしても、こんなポカはしませんでした。スラれたのか、落としたのか。緊張感が切れてたんだと思います。あるいは疲弊しきっていたのか。ちょっと凹みました。 えっと。 いろんなことが言葉になるまで、カメラに入っていた写真を愉しんでください。とりあえず、テレビが生活にないってほんとうに素晴らしい。

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