日別アーカイブ: 2011年6月17日

逃げる勇気

6月17日 金曜日 曇り (昨日の続き) 福島県相馬人M (妖怪人間ヴェムみたいで嫌だーと本人が申しております)と毎日恋人のように連絡を取り合っております。おっさん二人して、状況に頭を痛めています。故郷を離れなければならなくなることが、帰ってこれなくなるかもしれないことが、仕事を失うことが、どれほどの事なのか、僕なりに理解しているつもりです。でも、どう分析しても、置かれている状況は厳しいと云わざるを得ません。特に小さな子供を抱えている方々は「逃げる勇気」について考えて欲しいと心から思います。不要な被曝は避けて欲しい。それは取り返しのつかないことだからです。その代わり、被災していない僕らは声を上げ、行政を動かし、僕らも動き、彼らをサポートするシステムを早急に構築する。仕事、住居、コミュニティー、エトセトラ。 生まれて一度も街を離れたことがない。そのような方がたくさん居るのだと聞きます。流れ者の僕らが唯一伝えられるのは、知らない土地へ行っても、うー、簡単にはいかないけれど、でも何とかなるものです。僕は26歳まで福岡で暮らしていました。今でも育ててくれた街を愛しています。実家はもうないので、帰る場所はありません。育った家は人手に渡ってしまったので、どうなっているのかも分かりません。あまりに変わっているのもショックなので、近づきません。ときどき胸がきゅーんとはするけれど、でも、心の中にあの光景は生きています。だから、何も失われることはないのです。永遠に。被災した、あるいは放射能によって奪われた故郷。それとこれとは状況がまったく異なります。でも、僕は故郷は心の中にも持てることを伝えたいのです。どうか、「逃げる」と云う勇気について考えてください。

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