日別アーカイブ: 2024年11月6日

family

11月6日 水曜日 晴れ   ステージに立っていると、世相が浮かび上がることがあります。  リクエストはwetめで、特に家族にまつわるものが多かった。そんな時期なのか、時代なのか。  家族。近くて遠いもの。あたたかく、とてつもなくやっかいなもの。  正解はないんだと思います。それぞれにそれぞれの形がある。同じものはひとつたりともない。  うちはね。崩壊系です。笑。  いちおうあったはずだけど、旅行はおろか、揃って食事をした記憶すらない。その写真もないから、ほんとになかったんだと思うんすよね。だから、家族の意味が今もよくわからない。わずかに小学校に上がる前に、祖父母と同居してた時期があって、超絶可愛がられた記憶が肌感覚として残ってる。それがなかったら、ほんとにヤバかったかも。  幼少期の愛された記憶ってのは人間形成上でもっとも大事なことだと思うのです。それゆえ、子供を育てる勇気は僕にはない。オレみたいなのはオレひとりでたくさんだって想いもあります。幼い頃、虐待された人間は成人して子供を虐待することが多いってデータは悲しすぎて、恐ろしすぎるのです。業。  アンビリーバブルに仲のいい家族で育った女性と一緒にいたころ。ものすごく家族に受け入れてもらったんだけど、でもどうしても居心地が悪かった。中華料理屋で円卓囲んでると、ヘンな汗が湧き出てきて、辛かった。どうしていいのか、わからないんです。  誰も悪くないんだけどね。でも、こういう経験が歌を書かせる。それだけのことです。  だって「オレは幸せだ!」みたいな歌、聞きたいすか?オレには必要ないかな。笑。  プライベートなことがパブリックなことにたどり着くこともあるんです。そこを目指して歌を書く。それがたまたま誰かを癒すかもしれない。それだけのことです。  家族のことを想うとき、いつもあの中華料理屋の脇汗を思い出します。笑。味なんてまるでわからなかった。  60になって。最小単位の家族ができて、学んでいるところです。正直、ずっと逃げてきたけれど、遅すぎることなんてない、と思っています。  僕が伝えたいのはね。どんなに異端だったとしても、視点を変えることでプラスに転じることは可能ってことです。いろんな巨大な負の経験に対して、僕は「ありがとう!」と思っています。だって、それらが自分を形成してくれたんだもん。痛みを知っているのは素晴らしいことです。強く、優しくなれる。  だから、家族にいろいろあるのはわかるけど。たった一回の人生。「どうして、自分だけがこんな目に?」みたいな自己憐憫はなにも生み出さないよ。  感謝して、今を生きましょう。  オレは病院行ってきます。それが今日のオレにできることだから。笑。

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