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謙虚であること

2月21日 金曜日 たぶん晴れ 都会で生きていて、山の残滓みたいなものがずっとこころの中にあった。 大好きな山に雪が降り続けているのを知っていた。それも、2月の乾いた雪が。 これは仕事をしている場合ではない。インスピレーションを求めて、午前3時に家を出る。 350キロ走って、午前8時前にはこの山の一番深いところに着いた。ここには何度も来ているけれど、こんなに積もったのは見たことがない。3日で2メートル降ったんだと。 胸が高鳴った。 とうぜんジャンキーたちがいるわけで。降雪がすごすぎて、クルマのナンバーも判読不能。でも、ほとんど地元じゃないね。同じことを考えてる輩たちでしょ。居ても立ってもいられなかったアホな人たち。笑。 ところで、その雪は2月にしては重かった。ん?と一瞬違和感を感じたけれど、いやいや、オレもそれなりに経験積んだし、こんなところでスタックするほどダサくないし、と、深い雪の中にファーストテイクで突っ込んだなら。 あっと言う間にバランスを崩して、コケた。いや、それはいいんだけど、埋まった。埋まってしまった。天地逆さまのまま、動けない。ここはバックカントリーじゃないから、発見されず死ぬことはない。最悪、電話すればパトロールが助けに来てくれるだろう。でも、それは避けたい。でも物理的にかなりの斜面ゆえ、どうしようもない。もがけばもがくほど、アリ地獄のように埋まっていく。 どうにもならず、空を仰ぎながら、雪崩に埋まった人の恐怖をちょっとだけ理解した。いやいや、この感覚、久しぶりだな、、、、。 落ち着け。息はできてるんだから。 30メートル移動すれば、なんとかなる。でも、その30メートルがこんなに遠いなんてね。 考えた。まずはボードを外して、これを不沈の船にして、頼って進もう。でも埋まった状態でボードを外すことすらできない。 ははは。 これは山の神に怒られたんだな。「さいきん、お前、調子こいてないか!舐めたら死ぬぞ!」って。 まぁ、とにかく。脱出まで1時間くらいフントーしたかな。もうその時点でボロボロ。これが雪崩だったら、と考えると恐ろしい。舐めたらいかん、ほんとうに。 あの雪質はオレが知らないものだった。軽いのか重いのかわからないけど、飲み込まれたら最後、アリ地獄。バックカントリーじゃないから、とスコップさえ持っていなかったこと。アホすぎる。 謙虚であること。 それがなによりも大切だって教えられた1日。 確かに。一人でなければ、誰かが助けてくれたと思うけど。でも、それでも、一人で責任を負うことに意味があると思うのです。 学びの日だったのかな。 ついしん 隣の山で1人亡くなってた。外国人だった。あれは舐めたらほんとに死ぬよ、、、。      

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